2024年10月

日本初の人権訴訟専門団体であるLEDGEが主導する本プロジェクトは、米国のプロボノ文化を活用し、在日米国系法律事務所と日本の弁護士との間にプロボノ連携を構築することを目的としています。期間は12か月を予定しています。公共訴訟の基盤がまだ十分に整っていない日本において、米国の法的支援の知見を取り入れることで、公共訴訟のエコシステムを強化することを目指します。プロジェクトではまず、米国系法律事務所の支援能力を調査した上で、選定された法律事務所が実際の公共訴訟案件に対し、法的リサーチや戦略的助言を提供するパイロットプログラムを実施します。

所在地：東京都
助成金額：$40,000

ImpactShareは、日米間のインパクト投資資金の流れを促進するため、自社の知識共有プラットフォームを正式に体系化します。米国や欧州に比べて複雑で連携が限られている日本のインパクト投資分野において、海外の洞察や事例、手法を共有することで、実践者の理解とつながりを深めることを目的としています。主な活動には、実務者へのインタビューやネットワーキングイベントの開催、講義や動画コンテンツの提供などが含まれます。最終的には、グローバル資本を日本市場へ呼び込み、インパクト投資の専門的シンクタンクとして発展することを目指します。

所在地：東京都
助成金額：¥8,163,289

ギビングチューズデージャパンは、日本社会に根付く「静かな寄付」のあり方を変え、世界的に低い寄付文化の水準を向上させることを目的としています。本プロジェクトでは、グローバルなギビングチューズデー運動を日本向けにアレンジし、6つの重点施策を展開します。主な活動には、包括的なリソースブログの開設、寄付の動機を共有する#MyGivingStoryキャンペーンの実施、戦略的パートナーシップの構築、そして日本NPOセンターとの共同による全国規模の寄付意識調査が含まれます。最終的には、データに基づき、連携性が高く、積極的に参加する寄付セクターの育成を目指します。

所在地：ニューヨーク州ニューヨーク／群馬県
助成金額：$46,000

アジア太平洋ABAネットワークが主催する「つなげるABA 世界自閉症サミット」は、2025年9月に北海道函館市で開催される3日間の国際会議です。本サミットは、米国で発展したASD（自閉スペクトラム症）への有効な治療モデルである応用行動分析（Applied Behavior Analysis, ABA）を紹介し、日米間のつながりを強化することを目的としています。米国の専門家と日本の専門職・家族を結ぶネットワーキングの場として、ワークショップやセミナーを通じて知見を共有します。行動科学が日本の医療教育で必修化された今、国際的なASD治療の標準を推進する意義ある取り組みです。

所在地：北海道
助成金額：¥7,000,000

全米ジャパンボウルは、米国を代表する高校生向け日本語コンテストであり、ワシントンDC日米協会が運営しています。本プロジェクトの中心的な目的は、次世代の人材育成を通じて、日米パートナーシップを支える基盤を強化すること、また、日本語教育プラグラム支援のツールを提供することです。第33回大会はジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院（SAIS）を会場として実施されました。学生たちが日本研究従事者と直接交流する機会を設けることで学びの質を高めました。ワシントンDC中心部での開催により、社会的認知度と発信力を高めることも狙いとしています。2日間にわたる大会では、日本語力だけでなく、日本文化や時事問題への理解を総合的に評価します。

所在地：ワシントンD.C.
助成金額：$12,500

ハドソン研究所による本プロジェクトは、中国・ロシア・北朝鮮による戦略的パートナーシップの拡大が北東アジアの安全保障に及ぼす悪影響を分析するものです。本研究では、3国関係を推進する要因を評価し、これらの相互作用から生じうる複数のシナリオを描き出し、それぞれが日本および米国に与える影響を検討します。その上で、韓国などのパートナー諸国の協力を得ながら、各シナリオに対応し得る日米の戦略を提言することを目的としています。

所在地：ワシントンD.C.
助成金額：$58,300

アジア・ソサエティ政策研究所が提案する本プロジェクトは、トランプ2.0政権下において高まる脅威や日米関係の変化に対し、日米同盟がどのように適応しているかを1年間かけて検証するものです。貿易関係の混乱の中で二国間協力の強靭性を分析するとともに、日本が自国の防衛力強化や志を同じくする国々との連携深化によってどのように対応しているかを探ります。本プロジェクトでは、日米両国の政府関係者、議会スタッフ、専門家、ジャーナリストへのインタビューや意見交換を通じて、両国の国内政治動向、東京の経済的期待、米国の安全保障コミットメントへの信頼が同盟関係にどのような影響を及ぼしているかを分析します。また、両国が直面する機会とリスクを明らかにし、変化する地政学的環境の中でパートナーシップを強化するための具体的な政策提言を提示します。

所在地：ニューヨーク州ニューヨーク
助成金額：$72,403

新アメリカ安全保障センター（CNAS）の支援を受けて制作される「ChinaTalk Japan シリーズ」では、ジャーナリストのジョーダン・シュナイダー氏をホストに、少なくとも7本のポッドキャストエピソードを配信します。本プロジェクトは、歴史、テクノロジー、地政学の観点から現代の日米関係をより深く理解することを目的としています。主なテーマには、AI（人工知能）、半導体、そして日本の国内政治が含まれます。番組はChinaTalkのポッドキャスト配信に加え、ニュースレターやYouTubeチャンネルを通じて発信され、ワシントンにおける日本関連の安全保障政策議論の質を高めることを目指します。

所在地：ワシントンD.C.
助成金額：$50,000

ミシガン州立大学が主導する「ミッドウェスト・ジャパン・セミナー（Midwest Japan Seminar, MJS）」プロジェクトは、米国中西部における日本研究の学術的水準と教育の質を高めることを目的としています。本プロジェクトでは、年2回の対面会議を支援し、孤立しがちな若手研究者にとって重要なネットワーキングと研究の深化の機会を提供します。
主要な目標として、日本の研究者を積極的に招き学術交流を活発化させること、新たな研究成果に対する出版助成を行うこと、そして日本文化のパフォーマンスを通じて一般の関心を喚起することが挙げられます。

所在地：ミシガン州イーストランシング
助成金額：$56,105

ニューヨーク日系人会/JAAが運営する「ニューヨーク日本人史デジタルミュージアム」は、オンライン展示『Exhibiting JAPAN』の制作に取り組んでいます。本展示は、1939〜40年および1964〜65年に開催されたニューヨーク万国博覧会を比較し、時代とともに変化した日米関係を探るものです。米国による占領期や社会的・政治的変動が各時代の日本館の展示にどのような影響を与えたかを分析します。2026年3月の公開を予定しており、インタラクティブな3D建築モデル、地図、写真、映像を日英両言語で閲覧できるデジタル展示として展開されます。

所在地：ニューヨーク州ニューヨーク
助成金額：$29,700

東京大学、スティーブンス工科大学、メリーランド大学の専門家によって主導される本プロジェクトは、沿岸地域の防災力を高めるための「自然に基づく解決策（Nature-based Solutions: NBS）」に関する知見を体系化することを目的としています。気候変動による沿岸リスクの深刻化に対応するため、まず既存の米国と日本におけるNBSプロジェクトのデータベースを構築し、その後、比較事例研究を通じて実践的な教訓と優良事例を抽出します。得られた知見は、今後の日米両国および国際社会におけるNBS導入の指針となり、政策立案者への具体的な助言として活用される予定です。

所在地：東京都 / ニュージャージ州ホーボーケン
助成金額：$43,869

International Foster Care Alliance (IFCA) は、日米の児童養護施設や里親養育の経験者による協働を通じて児童福祉制度の改革を目指します。2025年から2027年にかけて実施される4回の交流を通じて、日本初となる「ユース・アドバイザリー・ボード（YAB）」の設立を目指し、子ども・若者の権利擁護と参加を重視する米国の先進モデルを活用します。また、本プロジェクトは日米両国における大人への移行期にある若者たち（Transition-Age Youth, TAY）のメンタルヘルスケア改革も推進します。活動内容には、ワークショップ、現地視察、そして社会的養護経験者によるアート作品を展示する巡回展などが含まれます。

所在地：ワシントン州シアトル
助成金額：$34,000

本プロジェクトは、Pacific Arts Movementが主催するサンディエゴ・アジアン映画祭（San Diego Asian Film Festival：SDAFF）において、日本映画プログラムを強化する取り組みです。SDAFFは、AANHPI（アジア系アメリカ人、ネイティブ・ハワイアン、太平洋諸島系）の物語を紹介し、共感に基づく社会の促進を目的とした、長年にわたり開催されてきた映画祭です。本プロジェクトでは、日本および日系アメリカ人の映画制作者による作品を集中的に紹介する特集枠を設け、上映後には制作者によるパネルディスカッションを実施します。これにより、日本の芸術や文化への理解を深めるとともに、サンディエゴ地域に暮らす日本人コミュニティへのアウトリーチの拡大を目指します。

所在地：カリフォルニア州サンディエゴ
助成金額：$3,000

ひのきキャンプ2025は、米国ミシガン州南東部で実施される、日米バイカルチュラル家族向けのキャンププログラムです。日米間の友好関係の強化を目的としています。本キャンプでは、就学前から高校生（K–12）までの子どもたちを対象に、日本語および英語学習への関心を高めるとともに、文化交流や家族間の交流を促進します。参加者には、日系のルーツを持つ家族とそうでない家族の双方が含まれます。プログラムの内容は、タイダイ染めやバルーン・トスといった米国の伝統的な活動と、スイカ割りや盆踊りなどの日本の文化的要素を組み合わせた構成となっています。また、日本文化を直接体験する機会に十分恵まれてこなかった層からの参加拡大にも重点を置いています。

所在地：ミシガン州イプシランティ
助成金額：$4,908.40

本プロジェクトは、Students of Service（SOS）が実施する姉妹都市国際交流訪問プログラムで、2026年8月に日本・熊本市から高校生10名をテキサス州サンアントニオに受け入れることを目的としています。プログラム期間は7日間で、サンアントニオの同世代の生徒との交流を軸に構成されています。参加者は、ホームステイ、文化的視察、学校訪問、市職員との面会、グループ活動に加え、サンアントニオの生徒や他の姉妹都市からの参加者を含む国際ユースサミットにも参加します。SOSは、歴史的に周縁化されてきた背景を持つ生徒への支援に重点を置きながら、国際的視野を備えた若いリーダーの育成を目指しています。本プロジェクトは、サンアントニオ市と熊本市の長年にわたる姉妹都市関係を強化するとともに、異文化交流とサービスラーニングを通じて、将来のグローバル市民の育成に寄与するものです。

所在地：テキサス州サンアントニオ
助成金額：$25,000

本プロジェクト「日米同盟 インド太平洋地域における防衛・安全保障の強化」は、The Consortium of Indo-Pacific Researchers（CIPR）による分析的研究を提案するものです。実施期間は2024年12月から2025年7月までを予定しています。本研究は、中国による強硬な行動や「グレーゾーン戦術」とされる動きを含む地域的脅威に対応する形で、日米間の防衛協力を分析することを目的としています。研究成果として、自由主義国家の主権を守り、同盟の即応性を高めることに資する研究論文および政策提言の作成を目指します。

所在地：ニュージャージー州ジャージーシティ
助成金額：$25,000

本プロジェクトは、Tampa Bay TimesのNewspaper in Education（NIE）プログラムとFlorida Press Educational Servicesが提案するもので、現代日本の社会、文化、経済、ならびにフロリダ州との関係を含む日米関係をテーマとした、高校向け20ページの補助教材を制作します。本教材は、マンガなどのポップカルチャーへの関心を入り口として、日本に関するより深い学習を促し、フロリダ州の生徒における文化的および地政学的リテラシーの向上を目的としています。教材は印刷版およびデジタル形式で配布されるほか、教員向けの専門研修ウェビナーも実施される予定です。

所在地：フロリダ州セントピーターズバーグ
助成金額：$16,500

本プロジェクトは、日本芸術財団がMy Block, My Hood, My Cityと連携し、シカゴ公立学校のうち、十分な機会に恵まれていない地域の学校から選ばれた生徒150名以上を対象に、全9回のマンガ作画ワークショップを実施するものです。ワークショップは、アーティスト兼教育者のデリック・フィールズ氏が指導を担当し、2025年9月から2026年5月にかけて行われます。日本の芸術文化への関心を促すとともに、基礎的な作画技術を学び、アニメーションやゲームデザインといった分野におけるキャリアの可能性について考える機会を提供することを目的としています。本プロジェクトでは、参加者にとって安全で没入型の文化体験を実現するため、会場までの移動手段や弁当の提供も含まれています。

所在地：イリノイ州シカゴ
助成金額：$18,500

本プロジェクトは、Pacific International Academy（PIA）が、日本の大学生10名を対象に授業料および諸費用の50％を支援する奨学金を提供するものです。対象は経済的支援を必要とする学生で、プログラム期間は5〜6か月間で、米国オレゴン州ポートランドで実施されます。本プログラムは、日本における英語運用能力向上という課題に応えることを目的としています。参加学生は、集中的な英語学習に加え、ホームステイや地域非営利団体でのボランティア活動を通じて、語学力と実践的スキルを高める機会を得ます。これにより、文化交流の促進に加え、日米両国の相互理解と関係強化に寄与することを目指しています。

所在地：オレゴン州ポートランド
助成金額：$25,000