米日財団は本日、岐阜県美濃加茂市の藤井浩人市長を、第1回となる「若手市長賞」の受賞者に選出したと発表しました。本賞は、日本全国の45歳未満の市長の中から最も有望な若手自治体リーダーを顕彰し、政策交流やリーダーシップ開発を通じて国際的なつながりを広げることを目的とした新たな取り組みです。
米日財団理事の小林りん氏は、財団を代表し、「地方自治体の首長は、その都市のCEOにあたります。」と述べています。ユナイテッド・ワールド・カレッジISAKジャパン共同創設者・代表理事でもある小林氏は、「現在、日本全国に1,700以上の自治体がありますが、45歳未満の市長はわずか90名に過ぎません。彼らの功績を称えることで、その影響力を広く知っていただくとともに、より多くの有能な若者がこの意義ある道を志すきっかけになることを期待しています」と続けます。
藤井市長の美濃加茂市での実績
藤井氏は2013年に初当選し、日本でも最年少の市長となりました。在任中、美濃加茂市は全国的な人口減少傾向にもかかわらず人口が増加し、デジタル・トランスフォーメーションの着実な進展、自然環境や地域資源を活かした子育て・教育プログラムの導入を進めてきました。さらに、市民参加型の自治のあり方を推進したことでも知られています。
こういった実績について、藤井氏は次のように振り返っています。
「全国的に人口が減少するなかで、美濃加茂市の成長を実現できたことを誇りに思います。家族への投資、女性の参画、デジタル化、そして健康増進といった施策を通じ、すべての市民の生活の質を高めることができました。これらの取り組みは、中規模の都市でも持続可能で住民主体の自治のモデルとなれることを示すものです。」
今後の展望 米国からの学び
今回の受賞を機に、藤井氏は米国アイオワ州ダビューク市を訪問する予定です。同市はスマートシティ開発や住民参加型のガバナンスで先駆的な取り組みを行ってきました。藤井氏は次のように語っています。
「ダビューク市は、環境保全、健康、地域経済、市民参加をデジタル技術で最前線で統合してきました。これは美濃加茂市が目指す方向性と強く重なります。その仕組みがどのように設計され、長期的にどのような効果を生んでいるのかを学びたいと考えています。この訪問は、日本に新たな知見を持ち帰るための非常に貴重な機会です。」
授賞式
授賞式は2025年10月29日(水)午後5時から6時まで、都内某所にて開催され、審査員および来賓が出席する予定です。ご出席ご希望の方は、mayors@us-jf.org宛てご連絡ください。追って詳細をお送りします。
「若手市長賞」について
「若手市長賞」は2025年に創設され、革新的な自治の手法を実践する45歳未満の市長を顕彰します。米国での研修旅行を通じて国際的な政策学習を促進し、地域から日米パートナーシップを強化することを目指しています。
受賞者には100万円の賞金が授与され、都市計画、教育、デジタル・ガバナンスなどの分野で国際的視野を広げ、実践的なイノベーションを促すことが期待されています。
審査委員会は、地方自治、学術、教育の分野から専門家を招いて構成されました。2021年から千葉県知事を務め、先日2期目に再選された熊谷俊人氏は、2009年から2021年まで千葉市長を務めた実績をもとに、革新的な地方自治体のリーダーとして審査に参加。チャールズ・マクリーン氏(イェール大学政治学助教授)は、日本政治および地方自治における若手リーダーの役割について、学術的な洞察を示しました。さらに、小林りん氏(ユナイテッド・ワールド・カレッジISAKジャパン共同創設者・代表理事)は、米日財団理事として審査員の一員に加わりました。
注記:藤井氏は2014年、30万円の収賄容疑で逮捕されましたが、一貫して無罪を主張し、2015年に一度は無罪判決を受けました。翌2016年、名古屋高等裁判所が逆転有罪判決(執行猶予付き)を下し、市長を辞職。その後、2017年に再選されましたが、有罪が確定したため再び辞職しました。2020年に執行猶予期間が満了し、刑法第27条に基づき刑の効力は消滅。2022年の市長選で復帰し、対立候補の倍以上の票を得て再選されています。