米日財団(USJF)は、日本におけるエコシステム変革を促進し、インパクト投資市場を強化するための戦略的道筋を特定した新しい報告書「日本における社会的投資中間支援組織の調査」を公開しました。ソーシャル・ファイナンスが主導し、ソーシャルバリュージャパンの協力を得て実施された本調査は、関係者間の信頼の低さや案件パイプラインの限定性といった既存の障壁を検証し、米日財団がシステミック・チェンジ(体系的な変化)を推進するための実行可能な提言を行っています。報告書は英語および日本語でお読みいただけます。
報告書では、日本のインパクト投資市場は規模が拡大しているものの、パートナーシップの分断や投資可能なモデルの不足により、その潜在能力を十分に発揮できていないことが強調されています。これらの課題に対処するため、本調査は米日財団に対し、革新的な資金提供手法を試験導入する高い潜在能力を持つNPOを支援する、体系化された複数年のプログラム「インパクト・アクセラレーター」のパイロット実施を推奨しています。このアプローチは、インパクト優先投資を吸収できる組織の確かなパイプラインを構築し、最終的には日本における資金活用の規範を変革することを目指しています。なお、本報告書は財団に対する提言をまとめたものであり、社会セクター全体の取るべきアクションを提言するものではありません。
米日財団は近年、日本におけるソーシャルファイナンスのエコシステムを強化する方法を模索してきました。その一環として、財団は昨年、ピースウィンズ・ジャパンとの「日本子ども若者支援プラットフォーム」プロジェクトを通じて実験的な試みを開始し、このイニシアチブの下、ピースウィンズ・ジャパンを含む5つの非営利団体に対し、総額4億5,000万円の無利子融資を提供しました。これらの融資は、特にファンドレイジング・キャンペーンを支援することを目的としており、キャンペーンの収益からの返済が期待されています。このプログラムは、非営利団体が一定の規模に達すると、従来の助成金に加えて融資がさらなる拡大のための有効なツールになり得るという認識に基づき設計されました。このような規模の融資は日本の非営利団体にとって依然として比較的珍しいため、この取り組みは、返済義務のある資金が高いインパクトを持つ組織の拡大をいかに支援できるかを示す初期の事例となることも意図しています。本報告書を委託した目的の一つは、この最初の一歩をさらに発展させ、日本のより広範なソーシャルファイナンスのエコシステムを強化するための潜在的な道筋を特定することにあります。
本調査は、ソーシャル・ファイナンスの竹中明氏(アソシエイト)、クーパー・レンフロ氏(ディレクター)、ジェーン・ニューマン氏(インターナショナル・ディレクター)、およびソーシャルバリュージャパンの伊藤健氏(代表理事)の専門家による共同チームによって執筆されました。ソーシャル・ファイナンスは、社会の最も困難な課題に対処するために、金融、データ、デザインを活用して変化を推進する、目的主導型の非営利組織です。ソーシャルバリュージャパンは、社会的インパクトの研究、教育、実践を推進することを通じて日本、ひいては世界の社会的生産性の向上をもたらし、社会課題の解決を促進することを目的とする特定非営利活動法人です。
また、米日財団は本報告書から得られた次のステップを模索するため、この分野の専門家が参加する一連のプライベートなラウンドテーブル・ディスカッションの開催を計画しています。この分野に関心があり、日本のソーシャル・ファイナンスの強化への貢献を検討している方は、info@us-jf.orgまでどうぞお問い合わせください。
本報告書は、米日関係をかたちづくる要因について、新たな発想・根拠・視点を探ることを目的に、米日財団が委託した研究成果をまとめた米日財団リサーチシリーズの一環です。各論文は独立して作成され、知的交流を促し、日米両国の関係に関するより深い考察のきっかけを提供することを目指しています。