米日財団(USJF)は、ピースウィンズ・アメリカのジェームス・ギャノン代表と米国際開発局(USAID)元アジア担当長官補でScalare Advisorsパートナーのマイケル・シファー氏が執筆した『米国の対外援助削減 日米協力に与える影響』を公表しました。本報告書は米日財団の委託により作成されたもので、近年の米国の対外援助政策の転換が日本、そして両国の国際開発協力の将来にどのような影響を与えるのかを考察しています。英語版・日本語版とも、米日財団ウェブサイトでご覧いただけます。
本報告書では、2025年に米国が対外援助を大幅に停止し、USAIDを含む関連プログラムの解体に踏み切った状況を踏まえ、その世界的な影響を論じています。政策専門家による分析に加え、こうした変化に直面する各地域コミュニティの声も取り上げ、国際開発および人道支援の基盤がどのように揺らいでいるのかを概説しています。さらに、こうした動きが日本の国益や、共通の価値観と開発目標の推進をめぐる日米協力の将来に広範な影響をもたらす点にも言及しています。
10月8日には、米日財団のジェイコブ・スレシンジャー代表理事とピースウィンズ・アメリカのジェームス・ギャノン代表が、英利アルフィヤ外務大臣政務官を訪問し、国際開発協力の現状と今後の展望について意見交換を行いました。英利氏は 2018–2019年度の日米リーダーシップ・プログラム(USJLP)フェローであり、米日財団の元理事でもあります。同日および翌9日には、両代表による衆参両院の国会議員向けの本報告書の内容説明も行われました。
また、10月10日には日本記者クラブにて記者会見が開かれ、スレシンジャー代表理事とギャノン代表は、米国の対外援助停止を踏まえた報告書の結論を紹介し、国際開発および人道支援分野における日米協力の重要性について述べました。会見の様子はYouTubeでご視聴いただけます。

画像提供:外務省(左)日本国際交流センター(中央)日本記者クラブ(右)
本報告書および記者会見は、日本経済新聞、朝日新聞、時事通信、NHK、国際協力NGOセンターなど多くのメディアで取り上げられ、NHKの記事では会見でのスレシンジャー代表理事による「日本には、アメリカとの関係でリーダーの役割を担い、両国の国益に重要な共通の価値を普及していってほしい」という発言も引用されています。また、本報告書の内容は、執筆者であるギャノン氏とシファー氏による毎日新聞の論説記事でも考察されています。
『米国の対外援助削減 日米協力に与える影響』は、新たに開始した米日財団リサーチシリーズの一環として作成されました。本シリーズでは、日米関係に影響を与える要因について、新たな視点や知見を提示する独立した研究成果をまとめています。各報告書は、専門家・実務家との連携のもとで作成され、米日財団が掲げる知識共有と対話促進への取り組みの一部として公開されています。