ポートランド日本庭園で長年にわたりCEOを務め、組織を変革的に牽引してきたスティーブン・D・ブルーム氏が、2025年9月より米日財団のシニア・フェローに就任いたします。

stephen-d-bloomブルーム氏はこの新たな役職において、米日リーダーシップ・プログラムを中心とした財団の活動の認知度とインパクトを一層高めていくための戦略について、財団のリーダーシップおよび理事会に助言を行う予定です。

米日財団の代表理事兼CEOであるジェイコブ・M・スレシンジャー氏は次のように述べています。「スティーブ氏は、米日関係における市民社会の役割を再構築・拡張するというビジョンを誰よりも明確に描き、それを実現する力を備えた人物です。今後、財団およびパートナー団体が同様の変革を遂げていくにあたり、スティーブ氏との連携に大きな期待を寄せています。」

ブルーム氏は次のようにコメントしています。「米日パートナーシップの推進に取り組む米日財団の一員として活動できることを大変光栄に思います。これまでUSJFの皆さんとその活動がもたらしてきたインパクトを尊敬してきましたし、今後その重要な使命の前進に貢献できることを楽しみにしています。」

ブルーム氏は現在、米日財団での活動に加え、ノーベル平和センターのアドバイザーも務めており、「平和・対話・人類の共通性」に関する国際的な対話を促進するという同センターの使命をより広く発信するための取り組みを支援しています。

2005年から2024年までのポートランド日本庭園での在任期間中、ブルーム氏はポートランドの景観のみならず、国際的な日本庭園の分野全体や文化外交の意義をめぐる世界的な議論にも大きな変化をもたらしました。

優れたファンドレイザーとしても知られる同氏は、同庭園および日米文化交流の発展のために、これまでに7,500万ドル(約110億円)以上の資金を調達しました。在任中、来園者数は年間10万人から50万人に増加し、職員数も17人から150人以上へと拡大しました。

また、2020年にはポートランド日本庭園の姉妹機関として「ジャパン・インスティテュート」を設立。同機関は、日本文化、芸術、デザイン、自然との独自の関係性など日本の最も優れた資産を世界に発信することを使命としています。拠点はポートランドにありますが、活動は世界6大陸に広がっています。

同インスティテュートが主催するシンポジウムシリーズには、ノーベル平和センター、日本の皇室、マンデラ財団、デズモンド&リア・ツツ財団、アパルトヘイト博物館、広島・長崎の原爆資料館および財団など、国内外の個人・団体が参加しています。

ブルーム氏の代表的な取り組みのひとつが、建築家・隈研吾氏の設計による「カルチュラル・クロッシング」プロジェクトです。これは、3,700万ドル(約54億円)を投じた文化施設の建設事業であり、隈氏にとって北米初のプロジェクトでもあります。

この建築は、地元・全国・国際レベルで20以上の賞を受賞し、米国の建築誌『Architectural Digest』により「オレゴン州史上最も優れた建築プロジェクト」としても称されました。

また、ブルーム氏は「北米日本庭園イニシアティブ(NAJGI)」を立ち上げ、過去10年間で北米を中心とした日本庭園の国際的なネットワークを構築。同イニシアティブのもと、北米日本庭園協会(NAJGA)が設立され、同氏は初代理事長を務めました。

2018年には、日本庭園協会創立100周年を記念して、外国人として初めて同協会の名誉会員に任命されました。さらに2015年には、第二次世界大戦終結70周年を記念した外務大臣表彰を日本国外務省より受章。日米友好促進に顕著な功績を挙げた個人および団体に授与されたもので、ブルーム氏は他の27名とともにこの名誉ある表彰を受けました。

なお、ブルーム氏は音楽家としてキャリアをスタートさせ、アスペン音楽祭およびボストン交響楽団のタンゲルウッド音楽祭のフェローシップ・プログラムを修了。その後、バッファロー・フィルハーモニー管弦楽団およびサクラメント交響楽団で指揮者として活動し、のちにホノルル交響楽団の社長、タコマ交響楽団の事務局長として音楽組織の経営にも手腕を発揮しました。

米日財団は1980年に設立され、日米関係の改善を使命としています。これまでに1億ドル以上の助成金を交付し、現在は日米両国から約500名のフェローを擁する米日リーダーシップ・プログラムを運営しています。