2026年4月15日(水)、米日財団は国際文化会館にて、「Reimagining the U.S.-Japan Friendship: Connecting Civil Society Across the Pacific(米日友好の再定義:太平洋を越えて市民社会をつなぐ)」と題したシンポジウムを開催しました。産官学のリーダー、パートナー、助成先など100名以上が参加したこのイベントは、設立50周年を目前に控えた財団にとって重要な節目となりました。これは、対人交流を強化するという設立当初の使命を再確認するとともに、現代に即した新たな戦略への移行を象徴するものです。
リーダーシップが描く新たな展望
株式会社IZMiN代表取締役の田中泉氏が司会を務めたシンポジウムは、米日財団理事長のローレンス・K・フィッシュ氏による開会の辞で幕を開けました。続いて、代表理事のジェイコブ・M・スレシンジャー氏、そして同財団のヴァイス・プレジデント兼マネージング・ディレクター(日本及び助成金担当)を退任し、現在は一般財団法人A Better Future Foundationの設立者・代表理事を務める渡辺知行氏が登壇しました。三氏は、財団が単なる「友好」を超え、二国間の絆を地域や世界の共通善を追求するための出発点としての活用を目指していることを語り、本イベントが、財団が支援する具体的なプロジェクトや助成先の活動を通じ、そのコンセプトを具現化する姿が示されました。
6つのパネル 多様な専門性と共通の目的
シンポジウムでは、スレシンジャー氏と財団在日代表の岡部晴人氏がモデレーターを務め、計6つのパネルに18名の登壇者が参加しました。議論には、学術機関、金融機関、最前線のNPOなど、幅広い分野の関係者が加わり、米日財団の助成先団体、または財団の戦略策定に助言を行った組織を代表しました。セッションの内容は以下の通りです。
- パネル1:Bolstering the Social Impact Ecosystem in the Current U.S.-Japan Climate(現在の米日環境におけるソーシャルインパクト・エコシステムの強化)
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パネル2:Rethinking Classic Exchange Programs for Social Impact(ソーシャルインパクトに向けた伝統的な交流プログラムの再考)
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パネル3:Impact in Action – the Kesennuma Example and Possible Next Steps(インパクトの実践 — 気仙沼の事例と今後の展望)
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パネル4:Building Social Impact Muscles on the Ground in Japan(日本におけるソーシャルインパクトの基盤構築)
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パネル5:Impact-Driven Finance to Address Social Challenges(社会課題解決のためのインパクト投資)
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パネル6:Shared Challenges(共通の課題)
テーマは国際法や金融からトラウマケア、テクノロジーまで多岐にわたりましたが、共通して浮かび上がったのは「構造的な課題に対処するための二国間ネットワークの力」でした。活気にあふれたパネルディスカッションは、共感を呼ぶ議論が展開される一方で時折ユーモアも交えられ、真剣さの中にも和やかな雰囲気が漂うものとなりました。登壇者一覧と詳細なアジェンダを含むプログラムは、こちらからご覧いただけます。
対話とネットワーキング
円滑でインタラクティブな体験を提供するため、今回のシンポジウムではデジタル質疑応答システムが導入されました。来場者は自身のスマートフォンから質問を投稿、また他の参加者の質問に「投票」することができ、各パネルの最後には特に関心の高かった質問がスクリーンに表示されました。
交流の精神は、セッション以外の場でも発揮されました。休憩時間やパネル終了後には、参加者同士が積極的に名刺交換を行い、ネットワークを広げる姿が見られました。この活発な交流は、セクターを超えて組織をつなぎ、世界規模の課題に取り組むというシンポジウムの目的を体現するものでした。
長年の功績を称えて
今回のシンポジウムは、先日米日財団を退任した渡辺氏の功績を称える場でもありました。同氏の在任中の情熱と献身は、財団の核心的な使命の再定義と、「社会的な目的を持ったつながり」への転換に大きなインスピレーションを与えました。
閉会の辞において、岡部氏は渡辺氏への謝辞を述べ、同氏の温かさ、プロフェッショナリズム、そして長年にわたる財団への貢献を称賛しました。会場からは大きな拍手が送られ、渡辺氏が日米コミュニティに残した多大な足跡が祝されました。
イブニング・レセプション
懇談と祝賀の場は夜のレセプションへと続き、衆議院議員でありUSJLPフェロー(Inaugural Class of 2000)、元米日財団理事の河野太郎氏による挨拶で始まりました。続いて、一般社団法人日米協会会長で元駐米大使の藤崎一郎氏による乾杯が行われました。

河野太郎氏(左)藤崎一郎氏(右)
レセプションのハイライトの一つとして、会場に集まったUSJLPのデリゲートやフェローによる即席の同窓会と記念撮影が行われ、財団ネットワークの揺るぎない絆が改めて示されました。イベントは新たな決意とともに締めくくられ、太平洋を越えた連携の次なる章に向けて、協力的な機運が高まる一日となりました。
