著名な外交官、作家、弁護士であるキャロライン・ケネディ氏が、米日財団の理事に再任しました。
ケネディ氏は、2013年から2017年まで駐日米国大使を務め、第二次世界大戦終結70周年の節目の際は、バラク・オバマ米大統領による広島訪問、安倍晋三首相による真珠湾訪問という歴史的な交流で締めくくられた記念事業において重要な役割を果たしました。
また、在沖米軍再編の進展、女性のエンパワーメントの推進、学生交流の拡大にも大きく貢献し、その功績が認められ、2021年11月には旭日大綬章を受章しています。
東京での大使任務終了後、ケネディ氏は2017年に米日財団の理事に就任し、2022年に駐オーストラリア米国大使としての任務に就くまでその役職を務めました。大使としての任期は2024年12月まで続きました。
米日財団理事長のローレンス・K・フィッシュ氏は、「キャロラインを再び迎えることができ、大変嬉しく思います。初任期において彼女は卓越した理事として活躍してくれました。外交と公務における彼女のユニークな知見と経験を、今後のミッション再定義とソーシャルインパクト拡大のために生かしていきたいと考えています」と述べています。
ケネディ氏は、「米日財団の理事として再び関われることを光栄に思います。この財団ほど、素晴らしい両民主主義国の人々の絆を深めることに尽力してきた団体は他にありません。今後、さらなる世代を巻き込みながら、共通の課題解決に取り組む機会を楽しみにしています。かつて、米日リーダーシップ・プログラム(USJLP)のフェローたちと瀬戸内海のしまなみ海道を自転車で走ったことは、私にとって特に印象深い思い出です。これから何ができるかを考えると、とてもワクワクしています」と語ります。
オーストラリア大使在任中には、ケネディ氏はアジア太平洋地域における米国の同盟関係強化に注力し、米英豪安全保障協力(AUKUS)を推進しました。また、米国・オーストラリア・日本・インドが協力して東南アジアと太平洋地域の子宮頸がんを削減する「日米豪印がんムーンショット」も立ち上げました。
また、ケネディ氏はジョン・F・ケネディ図書館財団の名誉理事長を務め、2023年には日米韓の和解を推進した功績により、岸田文雄前首相と尹錫悦(ユン・ソンニョル)韓国前大統領に「勇気ある人々」賞を授与しました。
非営利団体の理事としての経験も豊富であり、民間と公共のパートナーシップ形成にも力を注いできました。2002年から2013年まではニューヨーク市の公立学校支援基金(NYC Fund for Public Schools)の副理事長を務め、芸術教育、図書館、リーダーシップ研修の分野で民間資金の獲得に貢献しました。
教育への関心から、2014年には「国際ポエトリー交流プロジェクト」(IPEP)を設立し、東京、御殿場、沖縄、ニューヨークの学生たちによるスピーチ・コンテストを開催しました。このプログラムは現在、韓国、フィリピン、オーストラリアにも広がっており、来年は広島叡智学園も参加予定です。
その他にも、アジア・ソサエティ、全国有色人種向上協会(NAACP)法的擁護基金、ハーバード大学政治研究所(Instiute of Politics)、カーネギー財団の理事を歴任しました。
また、法学、市民教育、詩に関する著作があり、『ニューヨーク・タイムズ』紙のベストセラーに選ばれた著書は11冊を数えます。
米日財団は1980年に設立され、日米関係の深化を目的に活動を行ってきました。これまでに1億ドル以上の助成金を提供し、日米リーダーシップ・プログラム(USJLP)を運営しています。このプログラムには両国合わせて500名以上のフェローが所属しています。
ケネディ氏は以下の現職理事とともに理事会に加わります。
ローレンス・K・フィッシュ理事長、伊藤公平副理事長、ウェンディ・カトラー氏、リチャード・E・ダイク氏、スタン・カステン氏、小林りん氏、近藤正晃ジェームス氏、サンタ・オノ氏、妹島和世氏、ドナ・タノウエ氏、田代桂子氏、ジェフリー・W・ヤブキ氏
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