スティーブン・D・ブルーム
シニア・フェロー
ブルーム氏は、2025年9月より米日財団のシニア・フェローに就任予定である。20年間にわたりポートランド日本庭園のCEOとして組織を変革的に牽引した後、その経験を活かし、財団のリーダーシップおよび理事会に対して、特に米日リーダーシップ・プログラムに焦点を当てながら、インパクトと認知度の拡大に向けた戦略面で助言を行う。
USJFでの活動に加え、ブルーム氏は現在ノーベル平和センターのアドバイザーも務めており、「平和、対話、人類の共通性」に関する国際的な対話を促進するという同センターの使命の発信強化に取り組んでいる。
ポートランド日本庭園において、ブルーム氏はポートランドの景観のみならず、国際的な日本庭園の分野全体や、文化外交の重要性をめぐる世界的な議論にも変化をもたらした。
優れたファンドレイザーとしても知られ、同氏はこれまでに7,500万ドル(約110億円)以上の資金を調達し、庭園および日米文化交流の発展に寄与した。在任中、来園者数は年間10万人から50万人へと急増し、職員数も2005年の17名から150名以上へと拡大した。
2020年には、ポートランド日本庭園の姉妹機関として「ジャパン・インスティテュート」を設立。同機関は日本文化、芸術、デザイン、自然との独自の関係性といった日本の最も優れた資産を世界に発信することを使命とし、日本国外における主要な発信拠点となることを目指している。
同インスティテュートはポートランドを拠点としながらも、6大陸でプログラムを展開。その代表的事業である「Peacemaking at the Intersection of Culture, Art, and Nature(文化・芸術・自然の交差点における平和構築)」と題したピース・シンポジウムシリーズでは、日本の皇室やノーベル平和センターなど、個人・団体を巻き込んだ国際的な対話が行われている。
ブルーム氏の代表的業績のひとつに、著名な建築家・隈研吾氏が設計を手がけた3,700万ドル(約54億円)規模の「カルチュラル・クロッシング」プロジェクトがある。
これは同氏にとって北米初の建築作品であり、国内外で20以上のデザイン賞を受賞。米建築誌『Architectural Digest』によって「オレゴン州史上最も優れた建築プロジェクト」としても評価された。
さらにブルーム氏は、日米庭園の国際連携を目的とする「北米日本庭園イニシアティブ(NAJGI)」を発足。この取り組みにより、北米日本庭園協会(NAJGA)が創設され、初代理事長を務めた。
2018年には、日本庭園協会創立100周年を記念して、外国人として初めて名誉会員に任命された。また2015年には、第二次世界大戦終結70周年を機に日本国外務省より「外務大臣表彰」を受章。同賞は、日米友好促進に顕著な功績を挙げた個人・団体に授与されたもので、ブルーム氏は他の27名とともに受章した。
音楽の世界からキャリアをスタートさせたブルーム氏は、アスペン音楽祭およびボストン交響楽団のタンゲルウッド音楽祭にてフェローシップ・プログラムを修了。バッファロー・フィルハーモニー管弦楽団やサクラメント交響楽団で指揮者を務めたのち、ホノルル交響楽団の社長、タコマ交響楽団の事務局長など、音楽団体の経営にも手腕を発揮した。