USJF | コミュニティニュース

USJLPシアトル2024 25年にわたる日米の架け橋を祝して

作成者: USJF|2024/08/15 13:00:00

日米リーダーシップ・プログラム(USJLP)は、2024年7月27日から8月3日にかけて開催された「USJLPシアトル2024年会議」において、25周年を迎えました。今回の節目となる会議には、2024年度デリゲート(現役参加者)42名が参加し、その後、プログラム創設以来のフェロー(修了生)80名も加わり、忘れがたい年度を超えた同窓会が実現しました。信頼に基づく関係性と交流を育み、その波及効果を両国に長く残していくというプログラムの使命を、あらためて実感する一週間となりました。

写真:7月28日(日)、会議1日目を終えレイク・ユニオンとレイク・ワシントンでのディナークルーズ後に集合写真に集まる2024年度デリゲートの集合写真。

対話と発見の一週間

最初の5日間は、医療、災害対応、政治、社会活動、ジャーナリズム、学術、防衛、テクノロジー、芸術など幅広い分野から集まった、日本人23名、米国人19名のデリゲートからなる2024年度生に焦点が当てられました午前9時から午後9時まで、デリゲートたちは視野を広げ、信頼関係を築くことを目的としたセッションに没頭し、多様な専門性や視点を活かすよう設計されたセッションを通じて、両国にとって最も重要な課題や可能性について率直な国境を越えた対話が行われました。

🔹オープニングでは、社会的・文化的な違いや、個人的・職業的な課題について率直な対話が展開。

🔹デリゲート主導のワークショップでは、スキル向上、協働的な問題解決、そして深い振り返りの機会が提供。

🔹そしてテーマ別セッションでは、貧困や生活困窮、女性活躍の制度的障壁、民主主義の分断や脅威、コーポレート・ガバナンス、教育、サステナビリティ、さらにはSDGsを超えた新たな国際指標の未来など、喫緊かつ広範な課題が取り上げられました。

歴史との力強い出会い

7月30日、デリゲートたちは第二次世界大戦中に日系アメリカ人の強制移住が最初に行われた場所であるベインブリッジ島日系アメリカ人排除記念碑を訪れ、この一週間の中でも特に感動的な時間を過ごしました。オーラル・ヒストリアンのリリー・コダマ氏をはじめとする生存者が自身の体験を語り、デリゲートたちは移民、アイデンティティ、そして分断された世界におけるコミュニティの役割について対話を深めながら、その教訓に思いを巡らせました。また、奉仕活動を通じてこの場を敬い、USJLPの理念を支える「互恵の精神」をさらに強めました。米日財団は、この訪問のために多大なご尽力をいただいたベインブリッジ島日系アメリカ人排除記念碑協会(BIJAEMA)ならびに、貴重な時間、知恵、体験談、知識を惜しみなく共有してくださったすべてのガイドの方々に心より感謝申し上げます。

会議室を越えたコミュニティづくり

夜には、新たな環境で交流を深める機会が設けられました。デリゲートたちはパイク・プレイス・マーケットでの活気あふれる「料理対決」に挑み、レイク・ユニオンとレイク・ワシントンでのサンセットクルーズを楽しみ、ディスカバリー・パークでのハイキングの後にピュージェット湾沿いでの夕食をともにし、ベインブリッジ島のサステナブル農場を見学しました。こうした一つひとつの活動がシアトルならではの魅力を際立たせると同時に、友情と信頼の絆をさらに強めるものとなりました。

フェローズ・ウィークエンド 世代を超えたホームカミング

8月1日、2024年クラスのデリゲートに80名のフェローが加わり、毎年恒例の「フェローズ・ウィークエンド」が開催されました。今年はプログラム25周年という節目でもあり、世代を超えた再会は一層感慨深いものとなりました。

🔹オープニング・レセプションはアマゾン・スフィアで行われ、ブルース・ハレル シアトル市長が「大胆なリーダーシップの力」について語りました。

🔹基調講演では「動揺するアメリカの民主主義 米国、日本、そして世界への意味」と題したセッションが行われ、米日財団のジェイク・スレシンジャー代表理事がモデレーターを務め、CNNのジョン・バーマン氏、スタンフォード大学の筒井清輝氏、ストラテジストのアンドリュー・バーンズ氏、気候外交官のロリータ・ジャクソン氏、ワシントン・ポスト紙のビナ・ヴェンカタラマン氏が登壇しました。

🔹また、スコット&ローリー・オキ夫妻がレイク・ワシントンの自宅でフェローズとデリゲートを迎え入れました。オキ氏はUSJLP設立に尽力し、長年にわたり名誉諮問委員会メンバーとして支えてきた功労者でもあります。

週末の締めくくりはミュージアム・オブ・ポップカルチャーでの忘れがたい祝賀イベントでした。デリゲートとフェローによるライブ演奏、記念すべき世代の紹介、そして2023-2024年度クラスのフェロー就任を祝う心温まる卒業式が行われました。

今後に向けて

2000年の第1回会議以来「ホーム」としてきたエメラルドシティ・シアトルは、USJLP25周年を祝う舞台としてふさわしい場所でした。過去を振り返り、絆を深め、未来への扉を開く──まさにその一週間となりました。550名を超えるメンバーの力を背景に、このプログラムはこれからも太平洋を越えた信頼と協働の架け橋を紡いでいき、この記念の歩みは続きます。2025年7月27日から8月3日まで、ネットワークは京都に集い、2025年の年会議で再び交流と学びを深めます。

  デリゲートの声 USJLP シアトル 2024年

「USJLPは、米国、日本、そして世界の間でイノベーション、協働、平和を推進することに献身する、多様なリーダーのコミュニティです。わずか1週間で、生涯続く友情を築き、私たちの文化にまたがる最も重要な課題について業界の専門家から新たな知見を得ることができました。真のつながりを築き、コミュニティから学び、その過程を楽しみたい方にとって、USJLPコミュニティ以上の場はありません!」
– Cosmo Fujiyama Ghaznavi (USJLP 2024-2025) The Management Center パートナー

「シアトルに到着した瞬間から、すべてのデリゲートが互いを理解し、率直で意義ある議論に臨むことに全力を注いでいるのが伝わってきました。1週間を通じて感じられた熱気と高揚感は本当に圧倒的で、この唯一無二の変革的な体験の一瞬たりとも逃すわけにはいかないとすぐに気づきました。」
– 天野 友道 (USJLP 2024-2025) ハーバード・ビジネス・スクール経営学助教授/ハーバード大学日米関係プログラム・フェロー

「USJLPは、深い友情を基盤とした未来の外交を体現しています。人は職業や外部での業績や受賞歴だけで定義されるのではなく、ひとりの人間として互いを理解し合うとき、課題はより丁寧に理解され、議論され、より良い解決策が見えてきます。変化は、自分自身と互いの人間性を認め合うことから始まります。そうした意味で、USJLPは実践の共同体なのです。」
– Roxann Stafford (USJLP 2023-2024) 

「USJLPでの経験を言葉で表現するのはとても難しいです。『人生を変える』という表現すら足りないほどです。非常に充実した公式プログラムの内容はもちろん素晴らしかったのですが、私が何よりも感謝しているのは、この年齢になって信頼でき、尊敬できる仲間と出会い、心から率直な会話ができたことです。もしUSJLPがなければ出会うことのなかった、政府、民間、NPO、学術界、芸術など、日米それぞれの分野を背負って立つ同世代の仲間たちと知り合えたことは、私にとってかけがえのない財産になりました。社会課題に全力で取り組み、より良い社会を築こうと奮闘するクラスメートの話を聞いて、深く心を動かされました。同時に、いつか再会したときに胸を張って自分の経験を共有できるよう、今の立場で最善を尽くそうという決意を新たにしました。」
– 中野 友朗 (USJLP 2019, 2024) 海上自衛隊 1等海佐/海上幕僚監部先任副官

「これまでにも人を集めるフェローシップ・プログラムに2つ参加した経験がありましたが、USJLPのデリゲートとして参加して、これほど深い帰属意識をすぐに感じられるとは思ってもいませんでした。大きな違いを超えて、デリゲートもフェローも皆、日米関係、共有する価値観、両国の強化、そして30代や40代ではなかなか築けない友情を育むことに揺るぎない思いを共有しています。」
– Indivar Dutta-Gupta (USJLP 2024-2025) Center for Law and Social Policy (CLASP) プレジデント兼エグゼクティブ・ディレクター

「私は、これまで必要だと気づいていなかった友人や仲間のコミュニティを見つけ、そして誇りを持ってその一員となりました。嬉しい日にも辛い日にも帰れる場所ができ、どんな時でも受け入れてもらえると分かっています。USJLPは、これからの人生でずっと大切にしていく特別な存在になりました。生涯続く友情やつながり、インスピレーションや励ましを求めて、これからもこの特別な場所に戻り続けたいと思います。」
– 澤目 梢 (USJLP 2023-2024) JWLI Ecosystem プレジデント/Fish Family Foundation

「素晴らしいプログラムです。大切な友人であり同盟国について深く学び、かつ真摯で熱心、そして刺激的な異文化ネットワークに加わるための、これ以上の方法は思いつきません。」
– Rye Barcott (USJLP 2023-2024) With Honor 最高経営責任者(CEO)兼共同創設者

「USJLPを特別なものにしているのは、単なるプロフェッショナルなネットワークづくりではなく、相互の敬意と理解に根ざした有意義な人間関係を築くことにコミットしている点です。没入型の体験や率直な議論、協働プロジェクトを通じて、このプログラムはグローバルな文脈におけるリーダーとしての役割を批判的に考えることを私たちに促します。多様な視点に触れ、複雑な課題を探り、今日の相互につながった世界に欠かせない異文化間の共感を育むという、かけがえのない機会です。ここで築かれる絆はプログラムを超えて広がり、国境を越えてポジティブなインパクトをもたらす生涯のリーダー・コミュニティを生み出します。来年、日本でのプログラムに参加できることがすでに楽しみです!」
– Terry Vo (USJLP 2024-2025) メトロ・ナッシュビル/デイヴィッドソン郡 地区17区議会議員、API Middle TN パートナーシップ・ディレクター

「このプログラムでは、多様な分野で活躍する優れたリーダーたちとの協働を通じて、より良いリーダー、そしてより良いフォロワーになる機会が得られます。人生を見つめ直し、より大きな計画に向けて行動を起こす動機を与え、新しい地平を切り開く機会を与えてくれるでしょう。」
– 北原 広太郎 (USJLP 2024-2025) 海上自衛隊 2等海佐/海上幕僚監部

「このプログラムは間違いなく最も変革的な経験の一つです。初年度には、新しいアイデアや考え方に出会いました。2年目には、物事を深く考える仲間、実践者、そして私がこれから実現したい活動を応援してくれる人々から、この上ないほどのサポートを感じました。」
– Jessica Grounds (USJLP 2023-2024) Corporate Directors Forum CEO、Mine The Gap 共同創設者、Running Start 共同創設者