2013年度 Elgin Heinz 優秀教員賞 受賞者


Ms. Sachiko Kono

Ms. Sachiko Kono (黄野幸子さん)
日本語部門
アラスカ州アンカレッジ学区日本語・日本文化教員

黄野幸子氏は熱心な日本語教師として日本語学習への関心向上に貢献し、その努力の成果として1986年にアラスカのフェアバンクス地区で初めての日本語 FLES (Foreign Language in Elementary School) プログラムが認可されました。黄野氏はウェラー小学校にて日本語 FLES教師として選任され、日本語、日本文化の授業、日本語のカリキュラム及び教材開発を担当しました。

また、ウェラー小学校にて日本語インターンシッププログラムを設立し、1989年に同小学校は全米で『Outstanding Elementary School Award』を受賞した11校のうちの1校として全国的に認められることとなりました。

1990年に、黄野氏は南中央アラスカに移り、サンドレイク小学校にてアンカレッジ学区Japanese Partial Immersion Programの日本語教師に就任しました。日本で教育を受けたネイティブスピーカーである黄野氏は、日本語FLES教師として成功を収めていたことから、就任2年目にして日本語イマージョンプログラムの2年生の担任として選任抜擢され、その後23年に亘り指導し続けています。今では、アンカレッジ学区ではサンドレイク小学校、Mears中学校、Dimons高校の三校において、幼稚園から12年生にまで及ぶ日本語プログラムを提供しており、約600名の学生が履修しています。今学年度(2013〜2014)で第13回目の日本語イマージョンプログラム卒業生を輩出することになります。

また、黄野氏は2年生の社会科カリキュラム『コミュニティ』で、アラスカのアンカレッジとアンカレッジの姉妹都市である北海道千歳市の『コミュニティ』について指導しています。太平洋を超えた双方の名所等を紹介し、生徒それぞれが絵付きの本を作成し、千歳市とアンカレッジの比較をするプロジェクトを実施し行います。生徒達はスカイプを通して千歳市の2年生とChitose School Exchange Programについて学び、5,6年時に、千歳市からの生徒を受け入れるための準備をします。逆にサンドレイクの5、6年生は一年置きに千歳市を訪れ、日本の家庭でホームステイをします。

黄野氏は千歳への修学旅行へ4回、千歳からの受け入れの際は3回帯同しました。日本語に集中して取り組むことができた生徒達やその家族達は、ホストファミリーとの大切な思い出を永く語り続け、生徒たちは卒業後や兵役等の際に再会を果たし、生涯に亘る友情を築いています。

日本語教師として黄野氏は、生徒達が日本語を学習成果を人前で披露する機会を与えられるべきだと信じ、毎年二年生の生徒達はアラスカ日本語教師会主催の全アラスカ州日本語スピーチコンストに毎年参加しています。黄野氏は1996年から1999年に同会のディレクターとして活躍し、現在もメンバーとして積極的に活動しています。


2013年度 Elgin Heinz優秀教員賞受賞者
Music – “Ripples” Kevin MacLeod (incompetch.com)



Ms. Kathleen Krauth

Ms. Kathleen Krauth
人文部門
地理教師 アメリカンスクール・イン・ジャパン(ASIJ)

Ms. Kathleen Krauth氏は、東京都のアメリカンスクール・イン・ジャパン(ASIJ)に2000年から務めており、現在は同高等学校の地理教師を務めています。沖縄米軍基地、靖国神社、広島、そして福島を通して見た日本近現代史における国家と個人の関係に焦点を当てた senior honors seminar on Japanese history等、多岐に亘る授業を担当しています。

1995年にSocial Science Education Consortiumより出版されたカリキュラム教材『Japan 1945-1989: Recreating a Modern Nation』の共著者の1人であり、マサチューセッツ工科大学のVisualizing Culturesプロジェクトの日本に関する部分のカリキュラム作成を担当しました。

ASIJ就任のために東京に異動する以前は、コロラド大学で東アジア教育プログラムの職員として、またいくつかのサマーインスティテュートの職員兼やコンサルタントとして務めていました。今年は展示を含む2週間の東日本大震災追悼プログラムを企画しました。日本史専攻修士課程修了。